やっぱり遠くの血縁よりお隣さん

行政機能が麻痺し、
消防も警察も、コンビニも頼れないとき、
どうしたらいいのか。
頼りになるのは、隣にいるふつうの人だった。
松村圭一郎(文化人類学者)

熊本で被災した母親の体験を例に、
「不測の事態を打開する鍵は、大きな組織ではなく、
小さなつながりである」

折々の言葉 鷲田清一 
(朝日新聞 朝刊 2019年10月28日から引用)

毎朝目を通す、朝日新聞の折々のことばに全く納得する出来事が
自分にも当てはまったのでご紹介した。

熊本地震の時、実家の熊本(益城町の隣町)には
80才代の両親が住んでおり、
東京から心配し、飛んで帰りたかったが、
母親は「帰ってこんでよか」と私の帰省を迷惑がった。
一人分の食い扶持が増えるからという。

電話で様子を聞くと、
お隣の奥さんから「いちご」を一パック分けてもらった。
斜め前のご主人から「二リットル入りのペットボトルお水」をもらった。
お付き合いのある近所の90才のおはあちゃんから電話があり、
「うちは井戸水だけん、水をわけてあげるから好きなだけ持っていっていいよ」
と言われたので、トイレの水が助かった・・・。
こんな具合にご近所のサポートがあって年老いた両親は
ライフラインの遮断から何とか生き延びることができたのである。
声をかけあうことで、不安に耐えられた部分もあると思う。

先日の台風19号の時。
我が家は避難勧告の区域だと
テレビが言っている。
引っ越しして2年目。
避難場所も知らないし、
避難所に持っていくものもよくわからないまま、
オロオロしていると弟から「大丈夫?」というラインに
私は他人事ではないと緊張が走った。
ご近所は雨戸を閉めている家ばかり。
明かりが見えないので家の中にいるのか
避難所に逃げたのかまったくわからない。
もしかして私だけ逃げ遅れているのか?!

そのとき、ご近所で親しくなったKさんを思い出し、電話番号に
ショートメールを送った。
すぐに返事があり、
「ここは高台なので水害の心配はない。
ご近所の皆さんは自宅にいると思うので小学校の体育館に避難しなくても大丈夫」
長年この土地に住んでいる人の言葉にホットしたのだった。

幸いテレビのBSアンテナがダメになったくらいですんだ。
今回の台風で被害に遭われた方々、本当に
お見舞いを申し上げます。

川や山から離れていても竜巻に巻き込まれることもある。
どこに住んでいても「安全」はない。
災害はいつか自分の身に起るかもしれないと
普段からの心の準備と
ご近所との日頃のお付き合い、
風通しをよくしておくことは
自分か生きのびるために必要なことだ。